資金・M&A短報

OpenAI、資金調達目標を300億ドルから200億ドルに下げ FTが報道

OpenAIの新規資金調達目標が300億ドルから200億ドルへ引き下げられたと英FTが報道。WSJは確保額が110億ドルにとどまると伝えた。

何が起きたか

OpenAI が進めている新規の資金調達について、目標額を当初の300億ドルから200億ドルに下げたと、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が10月30日に報じた。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)も続報を出し、同社がこれまでに確保できた金額は110億ドルにとどまると伝えた。FTによれば、投資家への出資確約の期限は30日に設定されており、初回の調達額は200億ドルにも届かない可能性があるという。

なぜ重要か

OpenAI はこれまで、1兆4000億ドル、その後1兆2500億ドルという評価額を前提に300億ドルを調達する計画だと報じられてきた。目標額の下方修正は、資金集めに苦労が少なかった OpenAI にも投資家による選別が及んでいることを示す。新規株式公開(IPO、未上場企業が株式を証券取引所に上場すること)を見据えた資金計画の前提が変われば、データセンターなどへの投資ペースにも影響する可能性がある。

背景

FT によれば、調達を主導するのはアラブ首長国連邦(UAE)の投資家グループで、国営系ファンド MGX が最大の出資者になる見通しだという。取引の一環として、OpenAI は同地域で新たに整備される計算資源をリースする選択権を得るとされる。Founders Fund、Coatue Management、Sequoia Capital、Andreessen Horowitz も出資を予定し、富裕層向けには同じ1兆2500億ドルの評価額でリテール(個人向け)枠が後日用意されるという。WSJ は、一部の大口投資家の反応が鈍かったと伝えた。AI インフラへの巨額投資への警戒からハイテク株の売りが広がるなかでのタイミングも、資金集めが難航した一因とみられる。

日本のビジネスへの示唆

  • 最有力の AI スタートアップである OpenAI でも調達計画の下方修正が起きている。AI 関連の評価額や調達規模を前提に事業計画を立てる際は、資金供給側の変化を注視したい。
  • 中東の国富ファンドなどが大型調達の主要な出資者になっている動きは、今後の AI 業界の資本構成や提携関係を見るうえで意識しておきたい点だ。
  • データセンターなど AI インフラ投資への市場の警戒は、関連する調達・事業計画のタイミングにも影響しうるため、資金調達環境の変化を定期的に確認したい。

出典

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