資金・M&A短報

AIクラウドのLambda、145億ドル評価で最大40億ドル調達へ — 2027年IPO前の最後の非公開ラウンドか

NVIDIA支援のAI計算クラウド企業Lambdaが、145億ドルのプレマネー評価額で最大40億ドルを調達する計画だとWSJが報じました。Anthropicとの350億ドル契約で受注が急拡大する一方、大口顧客への依存も強まっています。

何が起きたか

NVIDIA(エヌビディア)が出資するAI計算クラウド企業のLambda(ラムダ)が、最大40億ドルを調達する計画であることが、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道で明らかになりました。調達は145億ドルのプレマネー評価額で、Coatue Management(コーチュー・マネジメント)とBlackstone(ブラックストーン)が主導します。2027年に計画するIPO(新規株式公開)を控え、最後の非公開ラウンドになる可能性があるといいます。

なぜ重要か

Lambdaは、GPU(画像処理用の半導体)の計算能力をクラウド経由で貸し出す「ネオクラウド」と呼ばれる新興クラウド企業の一つです。WSJが確認した投資家向け書簡によると、Lambdaの受注残高(バックログ)は2026年6月の150億ドルから、9月には500億ドルへと急拡大しました。ただ、その増加の大部分は、Anthropicが2026年8月下旬にLambdaと結んだ350億ドル規模の契約が占めているといいます。評価額の高さが特定の1社の支払い能力に大きく左右されうる構図は、持続性を見るうえで注視すべき点です。

背景

Lambdaはもともと2026年中のIPOを目指していたとされますが、市場の不確実性のなかで2027年へ延期したと報じられています。データセンターの建設費は主に借り入れで調達しており、Lambdaは直近でも10億ドル規模の借り入れを追加で調達しました。GPU容量への需要自体は旺盛で、投資家は大型契約を持つネオクラウドに資金を投じ続けていますが、融資する側は貸出先の選別を強めているとされます。NVIDIAが出資する同業のCoreWeave(コアウィーブ)やNebius(ネビウス)も株価の健全性に資金調達が左右される構造にあり、英国のNscale(エヌスケール)も先月IPOを申請し、近く取引を開始する見通しです。

日本のビジネスへの示唆

  • AI基盤モデルを提供する企業と計算資源を提供するクラウド企業の間で、大型契約が互いの企業価値を左右する構造が強まっています。生成AIサービスを利用する日本企業は、取引先のクラウド基盤がどこまで特定顧客に依存しているかも、調達の継続性を見るうえで注視する価値があります。
  • GPU計算資源の確保競争は依然激しく、大手クラウド以外の選択肢であるネオクラウドの信用力や資金調達動向は、AI活用コストの先行指標として参考になりそうです。
  • 海外のAI関連クラウド企業のIPO動向は、国内のAI投資判断や取引先選定の基準づくりにも影響を与える可能性があり、今後の資本市場の反応を注視したいところです。

出典

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