政策・規制短報

アンソロピック、Claude Codeに既存ゲームの複製を防ぐ制限を追加

アンソロピックは、コーディング支援ツール「Claude Code」が既存のビデオゲームを複製できないよう、システムプロンプトに制限を追加した。AIによるゲームの無断コピーが相次いだことを受けた対応で、独自ゲームの開発は従来どおり可能という。

何が起きたか

米アンソロピック(Anthropic)は、コーディング支援ツール「Claude Code」が既存のビデオゲームを複製しないよう、システムプロンプト(AIへの事前指示文)に制限を加えました。同社でClaude Codeを担当するアディ・オズマニ(Addy Osmani)氏が米国時間10月30日、X(旧Twitter)で「Opus 5.5」向けのプロンプトに2文を追加したと明らかにしました。他人の特定のゲームを再現させる挙動を抑えるための措置で、Claudeを使って知的財産を侵害することは自社の利用ポリシーに反するためだと説明しています。

なぜ重要か

Claude Codeは、文章による指示からソフトウェアを自動生成できるAIコーディング支援ツールです。今回の制限は既存ゲームそのものを模倣した作品の生成を防ぐもので、オズマニ氏は独自ゲームや同じジャンルの作品、自分のデザインや素材で作ったゲームは引き続き動作するはずだとしています。一方で、独自企画のつもりの作品まで止められたとの報告も一部で出ているといいます。AIが生成するコードやコンテンツに、著作権・知的財産の観点から制約がかかり始めていることを示す事例といえます。

背景

The Decoderの報道によると、きっかけはOpus 5.5やOpenAIの「GPT-6 Astra」を使い、「Halo」や「GTA Vice City」といった有名タイトルの無断ブラウザ版が数百件規模で作られたことです。「Reverse Engineer Anything」のようなツールでAIエージェントとリバースエンジニアリングを組み合わせ、ネイティブのバイナリファイルを読み取り可能な擬似コードに変換する手法も使われています。Adobeの「Creative Cloud」の一部機能を再現した事例も報じられており、ソニーの「プレイステーション5」ではジェイルブレイク(制限解除)をきっかけにエミュレーターが相次ぎました。画像・動画に続いてソフトウェア分野でも知的財産を巡る摩擦が広がっています。オズマニ氏は、適切なバランスを取るため同社として今後も調整を続けると述べています。なお、この措置についてアンソロピック公式からの発表は確認されておらず、情報源は同氏のX投稿にとどまります。

日本のビジネスへの示唆

  • Claude CodeのようなAIコーディング支援ツールを業務で使う企業は、生成物が既存の著作物やゲームに類似していないか、自社でも確認する体制を検討する価値があります。
  • AIベンダーの利用規約や安全対策は随時更新される可能性があるため、生成AIをサービス開発に組み込む際は、挙動の変化が自社プロダクトに影響しないか注視したいところです。
  • 独自開発のつもりの作品まで制限がかかる例が報告されており、AIの判定基準には曖昧さが残るとみられます。生成結果を過信しない開発体制も検討に値します。

出典

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