政策・規制短報

USA Today運営会社、OpenAIを著作権侵害で提訴

USA Today運営会社が、記事数十万点を無断でAI学習に使われたとしてOpenAIを提訴し、2億5000万ドル超の損害賠償を求めました。著作権訴訟は近年相次いでいます。

何が起きたか

USA Today Co.は、傘下の地方紙とともに、OpenAIを著作権侵害で提訴しました。2026年10月8日(木)付の訴状で、OpenAIが「数十万点」の記事を無断でAIモデルの学習に使ったと主張し、2億5000万ドルを超える損害賠償を求めています。提訴はReutersが先に報じていました。

訴状では、OpenAIによる無断利用が傘下メディアに「現在も続く実害」を及ぼしていると訴えています。対象にはテネシアン(The Tennessean)やインディースター(Indy Star)、コロンバス・ディスパッチ(The Columbus Dispatch)、オクラホマン(The Oklahoman)など、USA Today Co.傘下の地方紙も含まれます。

なぜ重要か

今回の提訴は、OpenAIが抱える著作権訴訟の列に新たに加わるものです。これまでにニューヨーク・タイムズ(The New York Times)や調査報道メディアのジ・インターセプト(The Intercept)、CNETを運営するジフ・デイビス(Ziff Davis)、カナダ放送協会(CBC/Radio-Canada)、ブリタニカ百科事典(Encyclopaedia Britannica)、辞書出版元のメリアム・ウェブスター(Merriam-Webster)、シアトル・タイムズ(The Seattle Times)、さらに約400の地方紙連合が同様の訴訟を起こしています。生成AI(文章や画像を新たに作り出す人工知能)の学習データに報道コンテンツを無断で使うことの是非が、業界全体で争われている構図が改めて浮かびました。

背景

USA Today Co.の訴状は、OpenAIの商業的成功が「大規模な著作権侵害に基づく」と主張しています。OpenAIが利用許可を求めることなくUSA Todayのコンテンツを「取った」うえで、数千億ドル規模の製品を作り上げたとも訴えています。OpenAIはこの提訴について、The Vergeの取材にすぐには回答していません。

日本のビジネスへの示唆

  • 生成AIを業務で使う企業は、利用しているサービスの学習データの出典やライセンス許諾がどう扱われているか、改めて確認する価値があります。
  • 国内の報道・出版事業者にとっても、自社コンテンツがAIの学習に無断利用されていないか点検する動きが広がる可能性があります。
  • 大型訴訟の行方次第で、AIベンダーとコンテンツ提供元のライセンス契約の相場や実務慣行が変わる可能性があり、AIサービスを利用する企業は契約条件の変化を注視したいところです。

出典

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